はじめに:DNAでたどる日本人のルーツ
2025年3月15日から6月15日まで、東京・上野の国立科学博物館で開催中の特別展「古代DNA―日本人のきた道―」を訪れてきました! この展覧会では、最新のDNA解析技術を駆使して、日本人の起源や歴史を探る試みが紹介されています。おいらが実際に行って見て学んだ事や感想をレポートしていきますね!
webサイト:特別展「古代DNAー日本人のきた道ー」
展示の見どころ:DNA解析で明らかになった日本人の歴史
1. 最初の日本人!
ホモ・サピエンスが日本に到達したのは4万年前とされていますが、現在見つかっている最古の人体の化石は沖縄県の白保竿根田原洞穴遺跡から出土した旧石器時代の人骨「白保人骨」です。この白保人骨の復顔が展示されていて、なかなかのリアル具合です。DNA解析に基づいて目の色や肌の色、髪の特徴まで再現されていますよ。ただ、この白保人と全く同じDNAをもつ現代時はどこにもいないらしく、その後にどのように現代人が誕生したのかは、歴史のロマンです!




2. 何を食べていたのかも分かるよ!
炭素14年代法に海洋リザーバー効果を考慮すると当時の人が何を食べていたかも分かっちゃいます!あと、土器などの表面を観察すると土器に入れていた植物も推定できるそうです!おいらはもっぱら未来の事を考えるために分析技術を使っていますが、過去のことも分かっちゃうなんて、科学技術はやはり魅力的ですね!この分析によって穀物栽培が始まっても、時期と地域によって穀物への依存度が異なっている事が明らかになっています。そりゃ、海に近ければ魚もたくさん食べるだろうとは想像はできるんですが、証明するのはとても難しいんですよね。分析した人はすごいですね!



3. 人が変わったのか、文化が変わったのか
縄文時代と弥生時代というのを日本史で習いましたが、その時には全く疑問に思っていなかったことを気づかせくれました。それは、時代が変わったというのは、住んでいた人種が変わったのか、それとも人種は同じで文化がかわったのか、どちらだろうかという疑問です。現代の日本人の感覚でいうと、人種が変わるなんて事は現実感が無いのですが、人類の移住が多かった過去は違うんですよね。DNA解析の結果では、弥生時代に渡来してきた人々が主体となっているが縄文人との間でDNA的な融合も進んだことが示されています。なんとも壮大なお話ですね。


4. 古墳に埋葬されているのは・・・
古墳は現在にも残る古代の遺跡ですよね。大王・天皇のお墓として知られていますが、実際にはどういった人達が埋葬されているのか。そんな謎の一部がDNA解析で明らかになっています。岡山県久米三成4号墳から、父親と娘2人に加えて、血縁関係にない女性も埋葬されていたそうです。いったいどういう人間関係があったのか、思いをはせずにはいられませんね。あと、どうして古墳の名前は覚えにくい名称になっているのか、誰か知っていたら教えてください(笑)


5. ウマとイヌとネコの渡来の歴史
人類と深い関わりを持つウマやイヌやネコの渡来の歴史にも焦点が当てられています。馬は5世紀に日本にやってきて飼育されていたようです。イヌはなんと1万年程前にユーラシア大陸の東側のイヌのグループのひとつがやってきたのが祖先らしいです。ニホンオオカミとは別だったんですね。現在の日本のイエネコは平安示談に持ち込まれたネコが祖先のようです。そして、今の猫ってイエネコという種類だったということを初めて知りました!あと、そのイエネコの祖先がリビアヤマネコということも初めて知りました!ネコの系譜も展示されているんですが、近年になってのイエネコの分岐が多すぎてやばかったです(笑)



その他の魅力:埴輪、音声ガイド、プチネタ
これまでに紹介したコンテンツ以外にも古代DNA展を楽しめる要素はたくさんあります。井上咲楽さんの音声ガイドやニホンオオカミの剥製発見秘話など、古代のお話以外も豊富ですよ。あと、埴輪は萌え要素があると思います(笑)



まとめ
古代DNA展の魅力が伝わったでしょうか?DNA分析で新たになった事実をもとに、歴史を振り返ると新しい世界が見えてきて面白いですよね。おいらは自分が科学者なので分析技術への興味もあって、違った視点でも楽しめました。みなさんもぜひ展示を観に行って、古代に思いをはせてみてください。それでは、ごきげんよう。
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